【静村百景】とは
私、静村が実際に日本全国を旅して見て周った中で、
「ここは本当に良かった!」と全力でおススメできる、厳選された観光地になります。
ただし、季節や天候などの、見に行った時の条件でも差が激しいので、
あくまでも「私が見に行ったタイミングでは」良かった場所ということをご了承ください。
(※一応予防線を引いておく)
では、今回ご紹介するのはこちら。
平泉寺白山神社(福井県勝山市)
福井県勝山市。
福井県の中でも北に位置する山間部に、こちらの白山神社があります。
ローカル線えちぜん鉄道勝山永平寺線の終点である勝山駅から、さらに5km以上離れた山のふもとに、この苔で覆われた広い神社が存在していました。
幅広の階段のうち、2/3は苔で覆われ、左右は杉の巨木が立ち並びます。
広い広い空間に、遠近感がおかしくなりそうでした。
500mほどの距離を進んで行くと、木製の鳥居が鎮座しています。
文字はもう掠れて見えません。
写真を拡大して、なんとか一番最初の「白山」までは読めましたが…。
鳥居の先もまた、苔と緑と杉が立ち並んでいました。
階段で作業しているのは、地元のボランティアの方だそうです。
広い敷地内を何人もの方が整備をしていました。
奥の拝殿です。
見ての通り、かなり古い建物ではっきり言えばもうボロボロ…。
こちらだけではなく、他にある支社についても、支えが必要なほど老朽化していました。
拝殿の右手から、さらに奥にある三ノ宮に続く通路があります。
飾り気のない、木材をそのまま使ったような鳥居を潜り進んでみます。
こちらもやはり、巨大な杉が左右に立ち並びます。
ところどころで石の地蔵が置かれていたんですが、これもまた割れたり欠けたりしています。
なんというか、寂寥感…とでもいうんでしょうか。
朽ちてはいません。ただ、静かなです。
聞こえるのは鳥のさえずりと、砂利を踏みしめる自分の足音だけ。ただそれだけです。
奥の三ノ宮は安産の神様ということで、僕が来たときにはちょうどご夫婦がお参りをしていました。
こちらも古い社ですが、他に比べるとまだ手が入っているように見えます。
後から建てられたのかもしれませんね。
ここは梅雨時から夏にかけて、この緑と苔に覆われた場所になるそうです。
僕が行ったのも8月の中旬ですし、一番いい時期だったみたいです。
この場所は表現がすごく難しい場所です。
広い敷地に巨大な杉、緑の苔と朽ちそうな神社。表す要素はこれだけなんですが…。
なんというか、日本人の心を直撃する空気とでも言うんでしょうか。懐かしいともまた違いますし、静かにゆっくり見て周りたくなる何かがある場所です。
この場所に来るためだけに福井県に来た、と言われても納得してしまうでしょう。
苔寺としての知名度も高く、歴史的な逸話も非常に面白い場所ではあります。が、まずはとにかく一度訪れてこの空気を体感して見てほしいかなと思いますよ。
以上、静村百景 ”平泉寺白山神社” でした。